ハワードの「ラディゴア」 - サリヴァンのオペラによる ピアノのための演奏会用幻想曲(2005)はジョン・ファーマーがルス・アン・ガラタスに捧げる曲としてレスリー・ハワードに委託し作曲された。初演は2005年11月5日にブロンプトン王立病院のチャリティーコンサートにて作曲家本人の手によって行われた。曲のタイトルはフランツ・リストがオペラ作品をピアノ用に編曲した際に付けられていたオペラティック・ファンタジーのオマージュになっており、曲は歌劇 「ラディゴア」 に登場するSullivan’s marvellous RuddigoreやThe Witch’s Curseのバリエーションや転写から成った組曲となっている。曲はChorus of Ancestors(祖先たちの合唱)の前半の呪いを述べるシーンから始まり、When the night wind howls in the chimney cowlsという力強いフレーズへと続いていく。第一部終盤に登場するルースの歌とブライドメイド(結婚式で花嫁に付き添う若い女性達)の合唱は9/8拍子から成る主題へと受けつがれて第一部は幕を閉じる。第二部ではパッタートリオ:My eyes are fully openや有名なIt really doesn’t matter, matter, matter, matter, matterが前述のNight wind’ brings the piece to a happy endに呼応する形で登場する。
レスリー・ハワード