楽譜を1曲から購入!タブレットとの共有も簡単!
ユーザー登録ログイン
Mp03601

デ・ファリャ / 赤松林太郎:火祭りの踊り(ピアノ独奏版) (マヌエル・デ・ファリャ) / ピアノソロ 中〜上級

楽譜ID : 57676
506
中〜上級
全12ページ
Mp03601 1
Mp03601 2
Mp03601 3
Mp03601 4
Mp03601 5

《恋は魔術師》は言わずと知れたマヌエル・デ・ファリャ[Manuel de Falla, 1876-1946]の代表作で、ジプシー娘の恋をめぐる艶めかしい音楽による組曲となっています。《火祭りの踊り》はその中の一曲で、アンダルシアの情緒が特徴的。このリチュアルダンスは、亡霊となって現れるかつての恋人に対する悪魔祓いで、4分の2拍子で刻まれる激しいリズムと燃え盛っていく炎のトリルが呪術的に響き渡ります。
 ファリャは第一次世界大戦が始まるまでパリに滞在して、多くの芸術家と親交を結びました。1916年にセルゲイ・ディアギレフ[Sergei Diaghilev, 1872-1929]の主宰するバレエ・リュスから《三角帽子》の音楽を依頼され、振付にレオニード・マシーン[Léonide Massine, 1896-1979]、舞台・衣裳デザインにパブロ・ピカソ[Pablo Picasso, 1881-1973]を起用したのは、まさに時代を先導するパリならではのエピソードで、ファリャも新しい時代を彩る重要な一人であったことを物語っています。パリのピカソ美術館を訪れると、ピカソが手掛けた舞台デザインの数々を通して、天才たちの活気がみなぎる往時を階層することができます。  パリを経験することで、多くの芸術家は自らの民族主義を奮い立たせるだけでなく、印象主義的な要素を吸収して、独自のバランスを持ってそれぞれの新しい語法を身につけるようになりました。ファリャの場合、1915年に《ヒタネリア》として初演した後、バレエ音楽として《恋の魔術師》が完成を向開けるまでに10年の歳月を要しましたが、その熟成があったからこその名曲だと言えるでしょう。
 今日ではピアノ独奏編も親しまれており、アリシア・デ・ラローチャ[Alicia de Larrocha, 1923-2009]の編曲はよく知られています。またアルトゥール・ルービンシュタイン[Arthur Rubinstein, 1887-1982]の全身全霊をかけた情熱的な演奏も非常に有名です。このような先人の影響を受けながら私も即興的なアレンジメントを加えた演奏をしていますが、ファリャの魅惑的な管弦楽法をピアノに移植する際、新たな魅力を生み出す秘訣はペダルのはたらきにあると考えています。
この編曲譜ではダンパーペダル(右ペダル)とシフトペダル(左ペダル)の両方を詳細に記したので、〈ペダルのためのエチュード〉という一面もあります。「良いピアニストの足元をよく見てみましょう。ピアニストは細かなペダル操作を行っており、決して足を止めることがないのがわかるでしょう。まさしく奏者は常に音をコントロールしているからです」と書いたのは、偉大なるピアニスト アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルです。ペダリングを追求するほど、鍵盤のタッチングにも意識が及ぶようになりますので、譜読みの段階からこのことをしっかり心に留めて、作品の魅力に迫っていただけましたら幸いです。(赤松林太郎)


購入はこちら
¥1,650(税込)
2回までダウンロードできます
ご購入前にご確認ください
Credit cards
ー または ー
Webstore logoアプリで見る