モーツァルトは40曲近い歌曲を残しましたが、特に有名なのがゲーテの詩に曲をつけた「すみれ」。最も創作力の充実していた29歳のときの作品です。牧場の片隅に咲いていたすみれは、“摘んでもらうならあんな美しい娘に”と願うのですが、彼女は無惨にもすみれを踏みつけて去ってしまった、可哀想なすみれ……という内容となっています。